ファミリーの1歩先には親子スタイル

アナーキーなバレンタイン

「ある日突然、政府にチョコレートを規制されたら、あなたはどうしますか?」

OSGのお子さんにとって、バレンタイン・デイは大人が思う以上に大きなイベントだろう。
私もはるか昔、いそいそと手作りチョコレートなんぞを作った記憶があるが、30を過ぎてすっかりすれきった今は、わずか8歳の息子に向かって、

「手作りのチョコとか、手編みのマフラーとか寄越す女はたいしたことないからね。
めんどくさいだけだから、用心しなさいよ。
あんたが花を贈りたいと思うような女の子を見つけるのよ」

と、ひねた人生観を語っている有様である。命短し、恋せよ乙女。

そんなひねたおばさんから、OSGの皆さんと、その親御さんにおすすめの二冊がある。
知らない内に日本でアニメ映画化までされてしまったらしい、児童文学・YA(ヤングアダルト)文学の人気作家であるアレックス・シアラーの名著「チョコレート・アンダーグラウンド」と、どんな学校にも必ず一冊はあると言われる往年の名著「チョコレート戦争」である。


前者は「健全健康党」という、「反対する人が誰も選挙に行かなかったから選挙で勝った」与党が発した「チョコレート禁止法」によって、チョコレートをはじめとする甘いものを禁止されてしまった国の少年たちが、文字通りの地下組織を結成し、チョコレートの密造・密売を通して革命を起こす、という物語で、出版元である求龍堂は美術専門出版社であるせいか、507ページものボリュームがあるこの本は、児童書と言うよりはアートブックのようにクールでセンスの良い、高級チョコレートの箱を思わせる装丁である。
原題は「海賊版」を意味する”BOOTLEG”というのだが、「チョコレート・アンダーグラウンド」というタイトルは内容ともよく合っていて、装丁だけではなく、この本を心から愛した人たちが出版したのだろう、と感じさせられる。

後者はなんと初版が1965年というロング・セラーである。私も小学生のときに学校の図書室で順番待ちをして読んだ思い出があり、昨年、息子にプレゼントしたところ、あまりの面白さに、息子は一日で読破した。
町いちばんの高級洋菓子店と、その店にショーウインドウを割ったと誤解された小学生たちとの闘いを描いたもので、一度読んでいただければ、なぜこんなにも長い年月、子どもたちに愛されているかがわかると思う。

二冊とも、チョコレートを題材とした、子ども向けの物語であるが、その両方とも、実はいつか子どもであった私たち大人が読むべき本ではないか、と私は思う。
なぜなら、この二冊とも、世界を悪くしたのは無関心で、自己中心的で、保身ばかり考えている大人たちであり、人間としての自由、個人の権利を真の意味で理解し、主張し、平和な行動によって実践し、革命を起こしたのは子どもたちだからだ。

親としては、下手なことはせず、平和に、平穏無事に人生を過ごして欲しい、と思うのが人情である。しかし、それが友を裏切り、自分自身を裏切り、全てに目をつぶって生きていくことであれば、子どもたちの世界はやがて物語以上に悪くなってしまう。
声をあげるべきときはどんなときか。反抗と革命とはどういうものか。
次の世界を担う若い人たちに、どんな歴史の教科書や思想書よりも、ずっと過激でリアルなこの二冊を、親チョコの一つとして、ぜひ読んで欲しい。

(文:平野だい)

親子スタイルアドバイス
■お勧めの対象 全ての大人と子どもに
■コメント 親チョコと一緒に、親子で興奮する小説を!
■参考 『親チョコ』のススメ
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  • チョコレート、バレンタイン、革命
[お勧めの本, 平野 だい]
(2009年02月05日 15:15) 個別ページ
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