ファミリーの1歩先には親子スタイル

“郵便リテラシー”にみる”他者への意識”

 暖かくなったかと思ったら、寒さが戻ってきたりと、気温の変化が激しい時期になりました。こんな変化を繰り返しながら春が近づいてくるのでしょうが、春といえば花粉症の季節!


 花粉症歴が25年以上のわたしは、最初のころの治療がまったく効かなかったことへの反抗心なのか、マスクをして外出するだけであとはなんにもしていません。最近では良い治療法や薬があるらしいのですが、毎年恒例の季節行事だと思って過ごしています。

 こんなふうに言えば聞こえがいいのですが、周りのみなさんには迷惑ですね。大きなくしゃみは止まらないし、話せば鼻声。先日のAO入試の面談では受験生が真剣に話してくれているのに、こちらは鼻水がタラタラと・・・すみません。もう少し周囲の方々のことを考えて花粉症に立ち向かわなければいけないかもしれませんね。

 さて、今回は”他者”を意識すること、についてお話したいと思います。

 先日は入学前課題についてのエントリーを書いたのですが、そこで「入学前課題はコミュニケーションツール」としての役割があると述べました。推薦入試などで入学が決まった未来の―といってもすぐ近くの未来ですが―学生たちの様子を、入学前課題を通じて理解することができる、というわけです。

 実際、未来の学生たちから送られてくる課題が入った封筒を開けてみると、いろいろなことがわかったり、考えさせられたりします。私の勤める学部では新聞スクラップブックとリストづくりを課題の1つとしているのですが、送られてきたスクラップリストに目を通すことで、その生徒の興味関心のアンテナやものの見方・考え方が垣間見えてきます。また、未来の学生たちは日本各地に住んでいますので、全国紙ではなく地方紙をスクラップしている生徒も多く、読む側にとってはそれが面白かったりもします。

 目に入ってくるのは課題の内容だけではありません。提出の方法や送り方にもさまざまな特徴があり、そのなかには「おや?」というものも含まれています。宛先―あらかじめ大学からはラベルを貼った返送用封筒を送っているのですが―に「御中」が書かれていない封筒は珍しくありませんし、複数枚にわたる課題をクリップやステープラー(ホッチキス)などで綴じていないものも多くあります。封筒に入れるときのプリントの折り方がすごく変則的(?)だったり、なかには名前が書かれていないなどというものも・・・。わたしたちはこれを”郵便リテラシー”などと呼んで、ひそかに(?)チェックしています。

 ただ、これは大学入学前の生徒たちや、わたしの周辺だけの話ではなさそうです。他の大学に勤める知人などと話をしてみても、どうやら同じようなことがあるようですし、大学に入学した後の学生たちを見ていても、なるほど、レポートなど課題の提出時におなじようなことがあるな、と思います。わたし自身、これまでいくつかの大学で授業をしてきましたが、程度の差はあれ、大学の規模や知名度に関係なく同様のことが見受けられるのです。

 そこでひとつのキーワードになるのが、「他者への意識」です。課題やレポートというものは、基本的に自分以外の誰か―ほとんどの場合は教員ですね―に確認してもらう、読んでもらうために提出するものです。そうであるならば、本来、課題を提出するにあたっては読んでもらう相手、すなわち”他者”を意識しているはずなのです。

 逆に言うと、用紙を綴じていない、ヘンな折り方をしている、名前を記入していない、という状態で提出された課題というのは、提出する際に”他者”を意識していないのではないか、と考えることができます。そのようなかたちで課題を提出する学生にとって、課題とは「提出する」ことが目的であり、「読んでもらう」(=評価してもらう)ことが目的ではないのかもしれません。

 もちろん、レポートなどの課題を提出する際に”他者”を意識するということは、意見や考えを相手(=教員)に合わせるという意味ではありません。自らの考えを相手にきちんと理解してもらうためにも、読んでもらうための”形式”というのが大切になってくるというわけです。その意味では、前回のエントリーで書いたように、就職活動の面接で自分のことを相手に理解したもらうためには、まず相手が求めていることを理解しようとする姿勢が重要、ということと、共通している部分があるかと思います。

 ”他者”を意識して行動することは、ビジネスの世界ではあたりまえのことですよね。新しいサービスを生み出す際には、そのサービスを享受する”他者”を必ず意識しているわけですから。その意味では”他者を意識する”ことは創造的で楽しいことでもあると言えます。大学ではこのような”他者への感覚”を磨くことも求められているのだとわたし個人は思っています。

 学生の側に視点を移すと、昔―わたしが学生だったころ―から、誰に伝えようとしているのかよくわからないような授業をしている教員も稀に(?)いるようです。伝えるべき”他者”を見失わないように授業をしていかないといけませんね。

(文・石井雅章)

親子スタイルアドバイス
■お勧めの対象 課題を提出する側(学生)のみなさんと課題を受け取る側(教員)のみなさん
■コメント 試験も課題も一種のコミュニケーションツールです。”他者への意識”を磨くための手法だと思えば、課題への取り組みも楽しく思えるかも?
■参考
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