ファミリーの1歩先には親子スタイル

共感だけが全ての鍵だ

人間を人間としている本質とは何だろう?
心理学者のシュナイダーは、人間の異常性格を10パターンの類型に分類した。
その10パターンの類型の中に「情性欠如」という性格がある。
一言で言うならば「冷たい人」である。

思いやりがなく、残酷であるという性格だ。
この性格属性に特徴的なのが想像力の欠如であると言われている。
想像力がないということはどういうことか?

人の気持ちに対して共感しようとしないことだ。

秋葉原の連続殺傷事件から1年がたち、加藤智大容疑者がまた話題になっている。このことについては前から書いてみたかったので、書いてみた次第である。

さて、世の中の人々には彼の行為が理解できないという。

しかし、理解できないということは、彼の考え方に対して一種の共通性を持っているといえるのではないか?と私は思うのである。

何故人を殺したのか?
私は彼の気持ちを想像する。
あれこれ想いをめぐらせていくとわかる気がする。というかよくわかる。
(こう書くと、「お前も人を殺したいのか?」と短絡的な批判をする人が出てくるが、それは想像力の欠如した、他人の気持ちを思いやらない人だと私は断言したい)

「自分は特別だ。世界で唯一の価値のある人間だ。
しかしながら、今の境遇は不遇だ。自分のあるべき状況ではない。自分がこんな不遇な状況にあるのは、家族が悪い、周りのみんなが悪い、世の中全てが自分を正当に評価しないのが悪い。」
と思いたいのだけれども、現実の自分の矮小さは頭の中ではよく分かっている。

彼が2ちゃんねるに、鬱屈した気分をぶつけると、バーチャルなコミュニティの中でも慰める人がいたという。
でも、彼は慰められれば慰められるほど、どうせ自分なんかというネガティブな発言を繰り返した。
それは、やはり慰められたかったからだろう。
自分のことを低く貶めて語れば、「いやあ、そんなことはないよ。」と誰かが言ってくれる。それを期待しているわけだ。でも、慰められれば慰められるほどに、自分のこと本当は何も分からないくせにと思ったり、自分の心のさもしさに更に自身が貶められたりして、また愚痴を言うという負のスパイラルに陥る。
・・・という気持ちは分かるが、上手く表現できない。

ついには誰も彼の発言に対して何も反応しなくなったという。
当然のことである。
実際、身の回りにそのような発言をする人がいたらうっとうしくってかなわない。


精神的に窮地に追い込まれて(自分自身が勝手に追い込んだというのが正しい)、最悪の結末を迎える。

「自分は大きなことをやりたい。矮小な自分、生きていても誰も見向きもされない自分、自分は何て哀れなのだろう。
そんな自分が世の中の人間に対して、大きな影響を行使しうることを示す方法が一つだけある。かけがえのない自分を矮小化させた冷たい世間に復讐し、自らの存在意義を示す方法が・・・。」

というわけである。

秋葉原で何故凶行が行われたか。

彼にとって、そこが「ハレ」の場だったから。
静岡に住んでいた彼はたまに秋葉原に来ていたが、それは日常から唯一切り離してくれるイベントの場だったから。
そのハレの場で、凶行に及んだというのは人生の最後のイベントを飾るにふさわしい場だと思ったからに他ならない。

さて、長々背景について思いを巡らせてきたが、実際問題どうすればよかったのだろう?具体的な処方箋は何か?

同じような精神状態にある青年は少なくないだろう。
殺人という一線を踏み越えるか、というとほぼ100%に近い人々が同じ選択をしないと思うが、このような犯罪の芽は事前に摘まねばならない。

唯一の方法は、共感することしかないと私は考えている。
自分の子供に対して共感をもって接しているか?
周囲の青年に対して共感をもって接しているか?

気持ちを共有するそれだけが全てを救う鍵となる。

説教をするのではない。
意見や道徳を押し付けるのではない。
他人が気持ちをいつも拒否したりすると、自分という人間は世の中で全く影響力のない無力な人間だと思うようになるだろう。拒否したり、説教したりする人間ばかりの世界は、人間社会ではなく押してもびくともしない壁だけの部屋みたいなものだ。

ただ、気持ちに寄り添って共感する。無条件に受け入れる、気持ちを受容する、それによって理解してもらえたという実感を持つことだけが、人間世界の中で生きていることを実感させる。

彼もおそらく無条件に受容してくれる人が回りに一人でもいたら、このような凶行に及ばなかったに違いない。

冒頭に情性欠如の話をしたが、優しさは人から人に教えることができるものだと私は信じている。
共感を通じて人は優しさを人に与え、優しさを知る。
共感を通じ、子供に優しさを教えねばならないと私は考えているのである。

文責 田村義隆

親子スタイルアドバイス
■お勧めの対象 子供をお持ちの方、周囲に子供がいらっしゃる方
■コメント 事件の是非については問題にしておりませんが、犯人の犯した行為について肯定するものでは決してないことを付記しておきます
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