ファミリーの1歩先には親子スタイル

おすすめ本・『化物語』

こんにちは、巻尾です。
 新型インフルエンザに翻弄されたひと月でしたが、同じ状況だった方も多いことと思います。しかし、中高生への感染力はものすごいですね。息子の部活は、文化祭前日からひとり、ふたりとかかり、当日には同学年が全滅、終了後にはとうとう力つきて全学年全員感染、学級閉鎖も延長して1週間以上自宅待機の日々でした。小学校はちらほらかかっているようだけど、そこまであっという間に広まらないような。「中学生は話す距離が近いんじゃ?」「10代だけに免疫がない奇病かも」とか、インフルネタはつきないというものです。

 さて、今月のおすすめ本は、西尾維新『化物語』です(「ktkr本」はちょっと恥ずかしくなってきたので、終了・苦笑)。
 


『化物語』、小説が出たのは2006年と少し前なのですが、なぜか最近ベストセラーの上位に上がっており、何かと思ったらこの夏アニメを深夜に放映していたのですね。そういえば息子がはまって見ていたな、あのいかにも深夜アニメらしい映像美のやつか・・・と思い、読んでみたわけです。
 西尾維新は、メフィスト賞受賞のデビュー作『クビキリサイクル』を興味半分で読んで以来です。〈戯言シリーズ〉というだけに、独特の会話、凝った人物名など、”言葉”が特徴的で、ミステリー、SF、学園ラブコメなどストーリー以上に、言葉使い自体がひとつのジャンルといえるのでは、と感じた物です。中高生で、こういうのが好きな子はものすごいハマる作家になるんだろうな、と思いましたが、案の定続々作品を発表し、マンガ原作、アニメ化など、メディアミックスも順調に、ライトノベル系の作家の中では大御所的な位置にいるようです。

 『化物語』に戻りましょう。舞台はとある私立高校、目立たない高校3年生男子が、ある「怪異」を体験し、同じような状況に巻き込まれる女子生徒と出会い、助けたり、恋愛したり、といった学園ファンタジー、というと間違いはないかもしれません。が、著者があとがきで、「馬鹿な掛け合いに満ちた楽しげな小説を書きたかったのでそのまま書いた」というように、とにかく高校生同士が、楽しそうに延々と会話している小説です。そうはいっても主人公たちの悩みや、人間関係、家族観、あるいは怪奇、幻想、日本の民間伝承など、あらゆるモチーフが盛り込まれ、物語として厚みは十分なのですが、それよりなにより”馬鹿な掛け合い”が、登場人物を生き生きさせています。例えば主人公のふたり、戦場ヶ原ひたぎと、阿良々木暦(名前もすごいですね)の会話。
「わたしのこと、きっと守ってね」
「何故いきなりお姫さまキャラに!?」
「いいじゃない。どうせあなたみたいな人間、明日くらいには自殺する予定なんでしょう?」
「一瞬でキャラが崩れた!」
 会話というより、ボケツッコミ、さらに、ネット上の書き込みの応酬に近いものがあるかもしれません。それをリアルに(小説内ですが)個性的で、かわいい女の子と会話している、というのは、若い子にとってはとても魅力的なシチュエーションなんだろうな、と思います。
 息子の本選びを見ていても、設定やストーリーより、言葉、それも会話の要素がおおきな部分を占めているのを実感します。ネット、ゲーム、携帯などの影響は大きいのでしょうが、そこから新しい物語が生まれていく、という時期なのかもしれない、と感じます。
 ところで『化物語』は上下、続いて『傷物語』『偽物語』と続き、中学生の妹はじめ、美少女がどんどん出てくるあたり、男の子がウレシイ設定のようですが、出てくる女子も強く優秀で、なおかつ問題を抱えている、というあたり、意外と女の子も共感しそうな気もしますが、実際の読者層はどうなんでしょうか。気になるところです。

(文・神谷巻尾)

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