ファミリーの1歩先には親子スタイル

内定率が低いのは不況のせいばかりではない

来春卒業見込みの大学生(現4年生)の就職内定率は同期比を7.4ポイント下回る62.5%で氷河期以来だそうだ。
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20091119k0000e040054000c.html
今年の就活(現3年生)もまた厳しい状況のようだ。

でも、娘のまわりを見ても本当に就活を真剣にやっている子は、やはり知っている限りでは内定が決まっている。
内定率が低いのには、世の中が不況で厳しいのも大きいだろうけれど、「別に就職しなくてもなんとか食べられればいいや」という層も多いからだと思う。娘の友達もいくつか内定を貰っている子とほとんど就活をしていない子に二極化されている。(1つくらい落ちて、もうやめてしまう子も多いらしい)
また親に経済力のある場合は、「まだ決められないから大学院にとりあえず行く」「海外留学でも行くか」となるらしい。
すべてではないけれど、まだモラトリアムの中にいたいという学生、要するに「大人になりたくない子供」が多くなっている。


結婚したがらない、彼氏・彼女を作りたがらない若者の空気とも少し共通する気がするが、「傷つくのが怖い、評価されるのが怖い」のかもしれない。また他者に対して「責任を持ちたくない」っていうのもあるだろう。就活でも婚活でもそもそも「活動したくない」連中が少なからず存在している。

専門学校の講師を長くやっているけれど、あきらかに近年生徒の質が変わってきていると思う。ひとことでは言えないけれど「与えられた目的を達成しようとしない」「何か目的なのかを理解しようとしない」「できなくてもどうにかなる(だれかがどうにかしてくれる)と思っている」という感じだ。一見おとなしく特に目立って反抗的ではない、でも自ら考える力やコミュニケーション能力には著しく欠けている。これでは就活どころではない。専門知識を得る前のもっと基本的なところができていない。
担任に相談したら「例えると、馬を水のみ場につれていくだけではダメなんです。頭を水桶につっこんでやるところましないと飲まないんです」と言われて衝撃を受けた。

やらないことに対して「どうして?」と聞くと「メンドウ」という答えが返ってくる。
こんなに情報が沢山あり、便利にもなっている世の中で、何かを能動的に行う事はすべて「メンドウ」なんだろうか・・・

一方、大学の学園祭に行ってダンスに夢中になる若者がとても沢山(数百人)いるのに驚いた。下の娘もそのうちのひとりだけれど、きっと彼らはこう思っているのだろう。
「私にはやりたいことがある、そこらのいい加減に生きている奴らとは違う」って。確かに打ち込める何かがあるって素敵なことだと思う。
でも何か刹那的な感じがしてしまうのは大人の偏見だろうか・・・。
彼らだって厳しい現実があるのは肌で感じているだろう、この学園祭が終われば3年生は嫌でも現実と向き合うことになるのだろう、でも今は見たくない現実には目を伏せて燃焼したい、そんな気持ちが聞こえてくるようだった。
隣で見ていた上の娘が「でもニートよりはいいわよね、やりたいことがあるだけ」とポツリ呟いた。

内定率が低いのは不況のせいばかりではないと思う。
でも「世の中がおかしいせいだ」とは言いたくない。
青年期の自然な欲求として
「自分の力を社会で試したい、親から独立してやっていきたい、社会に貢献したい」
という気持ちになるように育てて行くにはどうしたらいいのか・・・。
とてもシンプルに考えれば、「子供がちゃんと大人になる」社会であればいいのだと思う。
世界の中ではもっと子供のうちに大人として生きていくことを強いられる国はたくさんある。やりたいことだけやっていればいいというわけではない。
親が、社会がちゃんと大人にしていく育て方を考え直す必要があると思う。
モラトリアムの延長を安易にはゆるさない姿勢も大切だと思う。
(文:大橋ゆり)

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