ファミリーの1歩先には親子スタイル

「絶対に勝てない戦い」もある

甲子園が終わると、夏はあっという間です。今年の甲子園は気温以上に熱かったように思われました。特に3年生は、9回3アウトの瞬間が「引退」の時。そして「負けて」サイレンとともにスタンドにダッシュするなんぞは、もう涙ナミダです。


ぼくは、戦術や技術のことがいまひとつわからないくらいの野球オンチですが、今年はなんでハマったかといえば、息子も部活から引退する3年の夏だったからでございます。(血は争えないので野球じゃあないですけど。)

そんな親バカとか判官びいきとかがあるんでしょうが、なぜだか「負け」にはつい共感してしまうんですねえ。

高校野球の参加校は、地区大会から含めると4,000校あまりあるそうです。よって、甲子園の49校はわずかに1.225%。
「もし地区大会が受験だったら・・・」(笑)、まあ偏差値80あたりの感覚です。こりゃ努力してどうなるというレベルではないですから、そもそも受けませんよね。
まして甲子園で優勝する確率は0.025%。世の中では「不可能」という意味ですね。

逆にいえば、99.75%のチームは、とにかくどこかで「負け」ます。「絶対に勝てない戦い」に日本中の高校が挑むようなものです。
もちろん野球以外もだいたいの部活も大会があるので、どんな部活でも結果だけを問うならば優勝校以外は「みーんな負け!」ということ。でも、誰もが3年間全力を尽くすんですね。

しかも、その3年間の実際のところは、成果が出ない練習に「ムダ錬じゃん!」とグチり、結果に納得できないと悔し涙を流す、という相当ヘタれな毎日です。なのに、ダメもとでもチャレンジするというモチベーションは、案外と高校生のだれもがしっかり持っていることに、あらためて感動したりします。

ところが、そんなあたりまえのことが、社会人になって真逆に否定されているうちに、気がつくと「世の中甘くねえぞ」と説教たれる大人になってしまうんですね。

「負け」とか「ムダ」のように思っていたものに「成長」という意味があったんだなと、ぼく自身が今ごろになってようやく気づかされたこの夏でした。

(せきね けんいち)

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