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「入試によく出る小説」考・2011

 受験シーズンがやってまいりました。今年はインフルエンザに加え、寒波、大雪で受験生も大変ですね。体調、天候対策をととのえてがんばってほしいものです。そんな受験生応援企画?ということで、昨年好評だった??「入試によく出る小説」考を再び試みたいと思います。例によって日能研発表の読書ガイド「入試によく出る作品と作者」2010年のデータから、人気作品を見ていきましょう。


1位 「夏を拾いに」森浩美
2位 「サナギの見る夢」如月かずさ
3位 「今ここにいるぼくらは」川端裕人
4位 *「思考の整理学」外山滋比古
   「うさぎとトランペット」中沢けい
   「サマータイム」佐藤多佳子
   「永遠の出口」森絵都
   「楽隊のうさぎ」中沢けい
   「黄色い目の魚」佐藤多佳子
   「夜の朝顔」豊島ミホ
   「十二歳」椰月美智子
   *「「空気」と「世間」」鴻上尚史
   *「オノマトペがあるから日本語は楽しい 擬音語・擬態語の豊かな世界」小野正弘
   *「ペンギンの教え」小菅正夫
   *「リンゴが教えてくれたこと」木村秋則
   「少年譜」伊集院静

 同率4位の数の多さから、作品が多岐にわたっていることが推察されます。「入試ならこれを読め!」的な傾向に、学校側も対策を講じているのでしょうか。

 小説を見ると、以前の重松清ひとり勝ち状態から完全に脱出したようなラインナップです。川端裕人、伊集院静が定番になってきた他、「一瞬の風になれ」の佐藤多佳子、「DIVE!」の森絵都と青春スポーツ小説の旗手が台頭しています。中沢けいは「卯年」にちなんで?いや昨年は寅年か。部活小説は強いです。でも「うさぎのトランペット」豊島ミホ「夜の朝顔」も小学生の女の子が主人公、椰月美智子、如月かずさは児童文学賞新人賞作家でやはり小学校高学年が主人公、と「若い女性が描く等身大の小学生」が、昨年のひとつのトレンドだったのかもしれません。
 
 また、表で*マークをつけたのはノンフィクションです。昨年と比べ上位に入る作品がぐっと増えました。しかも、外山滋比古先生以外は、新しい作品ばかりです。演劇(鴻上尚史)、漫画(オノマトペ)といった日本が誇るサブカルチャー、そして旭山動物園(ペンギン)に奇跡のリンゴ(木村さん)など現代の新しい成功物語。時代を色濃く映し、かつドラマチックなものが入ってきています。新書ブームにものっていますね。

 さて、ここまで来て不自然にふれていないのが、1位作品。森浩美、誰?とまったく知らなかったのですが、 2010年突然この作品が入試問題に多数採用されて話題になったそうです。著者の本職は作詞家、ここ数年小説をかなり量産しています。「夏を拾いに」は昭和の少年時代の物語、他の作品も父子、家族テーマの”いい話”の短編集のようで、確かに入試問題にはよさそう。いい話になりやすい、「昭和」「部活」「家族」「老人」「仕事」などがテーマになる、という構造があるのでは、と思います。そういったテーマがストレートに入っている最近の文学作品は、と考えると、やっぱり作家が限定されていくのはしかたないのかも…とも思ったりしてきます。
 

(文・神谷巻尾)

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