ファミリーの1歩先には親子スタイル

震災とメディア

 「ママ、○日に地震が来るんだって!」
 「なんでわかるの?」
 「だって、ケータイメールで情報が来たんだもの。311も予言した人が言ってるんだって」

 高校三年生の娘が、本気でその日を怖がって、その日は東京に居たくない、田舎のある九州に避難したいと私に言ってきました。今、こういう子どもたち増えていないでしょうか?

 私だって、その日に地震が来ないとは断言できませんが、その日に来ると予言してる人の根拠も信頼できません。でも、娘は本気で怖がっているのです。

 こういうとき、親はどう対応したらいいのでしょう?

 「何を言ってるのよ、来るわけないでしょ」

 そう根拠なく言っても、娘が怖がるのをとめることはできないでしょう。
 私がしたのは、こんな対処でした。

○受容
 「えっ、そうなの?そんな情報が来てるの?どこから?」

○共感
 「まぁ、怖いわねぇ」

○傾聴
 「地震が来たら怖いから、九州に逃げたいの?そうか、地震が来たら怖いものね」

 受容し、共感し、話を聴く。聞くではなく、耳を傾けて聴いてあげる。それで娘はかなり落ち着きを取り戻しました。

 その後、

 「それで、そのメール見せてくれる?その情報がどこから来ていて、どんな根拠なのか調べてみようよ」と言ってみました。娘は素直にメールを見せてくれました。

 私が見れば一見して、悪質なチェーンメール。でも、それが親友から送られてきたものなので、娘は信用してしまったのかもしれません。でも、その友達も、誰かから送られてきたメールを、娘に転送しただけにすぎません。

 正しい情報というのは、大元を手繰り寄せていくと、どこから発信されたものなのか、大抵はわかるように発信されています。○○新聞社発とか、○○大学発という情報なら、その情報源が本当か、そこに確認を取ればすぐ真偽がわかります。でも、この娘の受け取ったメールは、311を予言した幼児が、「また○日に地震がくるよ~、みんな死んじゃうよ」とお母さんに言ったという、科学的には根拠のない情報でした。幼児の言ったことを親が信じ、多くの人に拡散しているという内容で、これ自体その親子は名前も何も公表してないですし、信ぴょう性のあるものではありません。まるっきりのでっちあげの可能性の方が高いくらい。でも、娘を怖がらせるのには充分の内容だったのです。

○安心
 「でもさ、確実にその日に地震が来る証拠にはならないね。九州まで逃げなくても大丈夫だよ。もし来たとしても大丈夫なように、食料や必要なものをもう少し蓄えておこうか」

 頭から「デマメールに何をびびってるのよ~」と否定したのでは、怖がる娘の気持ちを落ち着かせることはできません。「地震がきても大丈夫なように、備えよう」と、否定しないけど違う対処法を提示してみたのです。そして本当に、備えを手厚くしました。

 娘は徐々に安心できたようで、その○日になっても、九州へ行くとは言いませんでした。ちゃんと学校に行きました(笑)そしてその日の夜、娘と「地震来なかったね」と笑いあいました。

 新聞や雑誌、テレビの情報ならまだ、ちゃんとした発行元が根拠ある文章を書きますから、一応信頼できる情報と言えますが、ネット発信の情報は、発信元をしっかり調べてから信用する必要があります。たとえ信頼できる友人からの情報であったとしても、その情報源がネットからであれば、信頼できるかどうか、きちんと調べなければいけません。

 調べ方は、ネットを使えば簡単。デマは、ネットでもすぐ話題になりますから、ああ、これはデマだったとパソコンで調べて見せて安心させてあげるのも一つの方法です。でも、まずは子どもの話を聴き、一度受け入れてあげることで、子どもの気持ちを落ち着かせることも大事です。

 放射能、地震、今はいろんな情報がネットを飛び交っています。その中の信頼していいものと悪いものを見分ける方法は、きちんと子どもに教えてあげるべきです。

 でもそれ以上に、まずは一緒の気持ちになってあげることも大事なんです。
 一緒に「怖いよー」と言う、そして「だけど大丈夫よ」と安心させる。そこが、コツ。

 今の世の中、心の平安を保つのは、大人でも難しいです。でも、子どもたちを落ち着かせるためには、「受容」「共感」「傾聴」して安心させる。それから、情報を調べる方法を教えるという手順を忘れないようにしたいものです。

(文・平戸京子)
 

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[平戸 京子]
(2011年07月19日 10:25) 個別ページ
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