ファミリーの1歩先には親子スタイル

さらに就活本 『就活生の親が今、知っておくべきこと』

「就活と親」に関して、さまざまな角度からアプローチした本が数多く出ています。

本書も帯に「「母と子の444日就活戦争」とあり、就職にまで母と子って……と、正直引き気味だったのですが、就活について色々調べていくうちに、実は避けては通れないテーマなのかなと思うようになりました。


261423.jpg先日、関わっているプロジェクトのイベント「ワークシフトカフェ」で就活の問題点を話していると、学生から親の話題がたびたび出てきました。「親の期待がつらい」「考え方の違いを埋められない」など、意外と親の存在は大きい模様。親子の関係もですが、社会や就職活動の変化に対して、親世代と子世代のギャップが大きいことが問題なのでは、と感じています。

本書は、そのあたりのギャップを浮き彫りにしています。就活生の親として息子の就職活動に直面した体験談、『日経ウーマン』元編集長ならではのデータを駆使した時代分析、関係者への取材など、多面的に構成してあり読み応えがあります。情報の最前線にいたはずなのに実際の就活を理解していなかった、ということを認めたうえでの実体験や調査を通じての言説は、説得力があります。

ただし、疑問がないわけではありません。冒頭のように、本書は、「内定まで444日かかった我が家の実態」から始まります。難関大学なのに予想外の苦戦、改めて親子で話し合い、心強いアドバイザーを見つけ、本当にやりたいことに軌道修正して内定を勝ち取り、充実した社会人生活を送っている、という成功譚。帯でも打ち出しているように、結局「親の手助け」が主なテーマのように見えてしまいます。

著者の主張、「時代は完全に変わっている」「親の価値観の押しつけは迷惑」「情報に踊らされるな」「女子も働き続けろ」等々は章を追って最後の方にまとめられていますが、当事者(特に母親)は最初の成功譚に自分の子を重ねあわせるのでは、と思うのです。ゆとり教育への不安から小中学受験に取り組み、PTA活動にも熱心で、ママ友のつながりを高学年になっても持続する今の母親たちは、子どもへの関心もいつまでも高い。就活に関しても、そのまま母活動につながっていくような。

一番最後に、仕事に悩み自死を選んでしまった娘さんの事例がありますが、そこに向き合い、女性も定年まで仕事しなさいという親が今どれだけいるだろうか、と考えてしまいました。就活は、親子関係自体をも考え直すきっかけにもなるのかもしれません。

文・神谷巻尾

『就活生の親が今、知っておくべきこと』麓幸子  
日本経済新聞出版社 2011年11月

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