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飯田先生が語る「思春期のメディア、その魅惑と可能性」 飯田豊プロフィール

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少し前の話になりますが、昨年の11月、広島市内で2日間のワークショップをおこないました。子どもコミュニティネットひろしまというNPO法人による催しで、高宮由美子さん(NPO法人子ども文化コミュニティ)、土屋祐子さん(広島経済大学)とともに講師を務めました。対象は小学校3年生から中学校2年生まで合計14名のほか、NPOに参加されている保護者の方々にも加わってもらいました。

ワークショップという言葉について、簡単に補足しておいたほうがいいかもしれません。まったく聞き覚えがない方もいらっしゃるでしょうし、この言葉の意味合いが分野によって少し違ってもいるためです。ワークショップは一般的にいって、言葉で表しにくい知識や技能を身につけるための参加体験型の学習方法のことを指します。教育や研究の現場で用いられるだけでなく、企業研修やまちづくりにおける合意形成、現代美術や演劇といった創作活動の手段として、ワークショップが設定されることもあります。しつらえられた場において、あることがらについて身体的に学んだり、一緒に考えたりする機会というのが、無難な説明ということになるでしょうか。

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1日目はクレイアニメづくり。年齢別に分かれたグループごとに、1〜2分の作品を制作してもらいました。粘土でつくった人形をコマ撮りすることで、映像の仕組みを理解するとともに、編集や演出といった概念について身をもって学ぶことが目的です。

メディアについて学ぶワークショップとして、このクレイアニメづくりは定番の方法ですが、2日目におこなったのは、ケータイで撮影した写真を使ったストーリーテリングという試みでした。まず、広島の市街地を散歩しながらケータイで写真を撮り、それをみんなで共有します。そして次に、各自が気に入った写真を選んで並べ、ストーリーを考えます。最後にひとりずつ、みんなの前で紙芝居のように発表しました。

ケータイで撮った写真をみんなで共有したり、そのことについて大勢の前で発表したりするということは、日常生活のなかではあり得ないことです。子どもたちにケータイを利用させる/させないという決断ばかりが問われている今、その使い方じたいをズラすことによって、ケータイとの付き合い方を考えるきっかけをつくろうというのが、このワークショップのねらいのひとつでした。

僕は近年、メディアの研究や教育の一環として、こうしたワークショップを精力的に実施しています。もっとも、僕が普段おこなっているワークショップは、高校生や大学生、あるいは大人を対象とすることがほとんどで、小学生や中学生と接することはあまりないのですが。

数年前まで僕の主たる活動は、歴史資料やフィールドワークにもとづく調査研究でしたが、それと平行して、ワークショップという実践的な方法を通じて、メディアに関する課題に向き合ったり、将来の可能性を探究したりするようになってきました。ワークショップには、既存の知識や技能を伝達するための体験型の学習という意味合いだけではなく、参加者の振る舞いを研究者が分析することによって新しい知見を得たり、あるいは活動のなかで参加者と研究者が一緒に、新しいアイデアやプランを編み出したりするという働きもあります。この連載では今後もしばしば、僕が携わったワークショップのことを話題にすることになるはずです。

こうした取り組みを別にしても、僕は大学教員という職業柄、思春期の子どもたちと日々接することによって、メディアに関することがらを一方的に教えるだけでなく、子どもたちが接するメディアのリアリティについて、僕自身が多くのことを学んでいます。僕の年齢からすると、親子のあいだの問題を当事者意識にもとづいて語るということはできませんが、思春期の子どもたちを取り巻くメディア環境のリアリティを、親の立場でも子の立場でもない、当事者とは異なる第三の立場から示すということが、このウェブサイトで僕にできることだと思っています。

最後にひとつ、お知らせです。

僕たちが広島市で今回おこなったワークショップと関連して、1月12日(月・祝)に山口県宇部市で次のようなフォーラムが開催されるそうです。お近くにお住まいの方で、メディアについての体験的な学びについてご関心をお持ちでしたら、是非ご参加下さい。

  http://www.mellplatz.com/exchange/exchange_0812.html#081210_1

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