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飯田先生が語る「思春期のメディア、その魅惑と可能性」 飯田豊プロフィール

石川県議会において数日前、小中学生にケータイを持たせないよう保護者に努力義務を課す「いしかわ子ども総合条例」が提案されたことで、規制論議が再び活発化しています。この条例、月末には可決される見込みで、そうすると来年1月から施行されるのだとか。

ケータイを所持すること自体の是非と、条例で所持規制することの是非は、かなり次元が違う話なのでややこしいのですが・・・いずれにしても、大人になれば必要不可欠な道具である以上、教育の拡充が欠かせないはずで、その観点を抜きにした規制論議には反発を覚えます。

広島市でも昨年、ケータイやインターネットカフェのパソコンなど、青少年の利用が見込まれる電子機器に対して、有害サイト閲覧制限のためのフィルタリングを義務づける条例が施行されました。事業者がこれに違反した場合は、勧告や指導、立入検査などがおこなわれ、それでも従わない場合は、事業者名が公表されるそうです。刑事罰は科せられないとはいえ、それなりのペナルティをともなう条例による規制の動きは、各地で進んでいるようです。この条例を所管するのは市教育委員会の青少年育成部ですが、教育拡充の具体的検討については後手にまわっているのが現状のようです。

今年の3月、僕も運営に参加している「MELL EXPO 2009」というシンポジウムで、ケータイの規制論議に関するパネルディスカッションがおこなわれました。このときフロアから、「誰が何のために禁止しているのか? 中学校や高等学校では、教室で起こっていない問題の対応に追われている」という発言があり、これに対して、『ケータイ学入門』などの著書で知られる岡田朋之さん(関西大学)は、「禁止では解決しない、と教育現場では口を揃えている」と断言しました。除菌や隔離といった予防医学的な観点では解決は見込めず、生活習慣病の予防のようにリスクをいかに下げるかが大事、と岡田さんは言います(→ パネルディスカッションの詳しいレポートは、こちらをご覧下さい)。

まったく同感だと、僕も思いました。ケータイに関するリスクは、大雑把に言って、(1)「出会い系サイト」に代表される、見ず知らずの匿名的な人間関係におけるコミュニケーションの問題と、(2)「学校裏サイト」の問題に代表される、既知の人間関係における匿名的なコミュニケーションの問題に大別できます。(1)に関しては、フィルタリングの実効性を否定はしませんが、(2)の対策としてはまったく無意味です。(2)に関しては、必ずしもケータイに端を発する問題ではなく、クラスの人間関係の構築の仕方に致命的な問題がともなっている場合が多いようです。言い換えれば、たまたまケータイ(学校裏サイト)がいじめの手段として選択されただけであって、ケータイを取り上げることで、いじめの構造そのものが途絶えるわけではないということです。(1)の問題についても、実生活における人間関係の構築の仕方と必ずしも無縁ではありません。ケータイを禁止するより前に、子どもの人間関係の構築の仕方について、大人が適切に介添えできる工夫を凝らすべきだと思います。

今後は僕自身、地元の自治体等と緊密に連携しつつ、多少なりとも教育現場に届く提言ができればと考えています。詳しいことは近いうちに。

 

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