今日(3月20日)は卒業式+謝恩会でした。今は卒業した後でも、必要に応じてケータイでいつでも連絡を取れるし、僕が学生だった頃に比べると、mixiやtwitterのようなソーシャルメディアが普及しているので、要件がなくても日常的に交流することができます。それでもやはり、卒業という節目は、一生に一度の当人たちにとっては言うまでもないことですが、この儀礼を毎年経験している教員にとっても、非常に感慨深いものです。
それにしても今月は、東京に滞在している期間が群を抜いて長く、今日のために一時的に福山に戻ってきたという状況で、明日の早朝には再び東京に向かいます。春休みは興味深いシンポジウムや研究会が多いためで、今年度に関しては、自分が運営に関わっているシンポジウム、自分が登壇する研究会はすべて終わったため、肩の荷はだいぶ軽くなりました(あとは〆切を過ぎている原稿がいくつか・・・)。
運営に関わっているシンポジウムといえば、前回の記事で取り上げたMELL EXPO 2010(3月5〜7日、東京大学)は、おかげさまで盛況のうちに終了しました。
実はこれに先立って、同じ会場で「ろっぽんプロジェクト活動報告会:テレビは視聴者と協働できるのか」という催しも開かれました。テレビ朝日と東京大学が3年間にわたって取り組んできた、「放送局と市民の協働的メディア・リテラシー活動の体系的構築」という共同研究の最終成果報告です(このプロジェクトを僕は2年間、やや離れた立場から見守ってきました)。
"テレビ離れ"が深刻に語られるようになって久しいですが、テレビ局が視聴者といかに向きあうかということを、各局がここ数年、これまで以上に真剣に考えるようになってきました。ろっぽんプロジェクトは、その好例と言えると思います。ご関心のある方は、テレビ朝日の自己検証番組「はい!テレビ朝日です」のウェブサイトのバックナンバーをご覧下さい。このプロジェクトがこれまで取り組んできた活動の一部が紹介されています。また、以下の記事も参考になります。
テレビが視聴者としっかりと向き合うために、局内見学や局員による出前授業といった(決して華やかではない)地道な取り組みの重要性が指摘されている一方、ここ数ヶ月は、バラエティ番組を内省するテレビ関係者の議論が話題になりました。昨年の秋、BPO(放送倫理・番組向上機構)の放送倫理検証委員会が「最近のテレビ・バラエティー番組に関する意見」を公表し、視聴者が不快感を抱いている課題点を指摘しました(原文をご覧いただければ一目瞭然ですが、決して堅苦しい意見書ではなく、工夫を凝らしてカジュアルな表現で叙述されています)。
今年の2月27日、これを受けて『めちゃ×2イケてるッ!』(フジテレビ)では、いじめや差別につながると指摘された演出や、安全性に疑問があると指摘された行為に対して、岡村隆史が身をもって回答するという企画を放送しました。意見書で投じられた批判に対する姿勢は、番組の中で示せる限りにおいて、最大限に真摯だったと思いました。その二日後、フジテレビは「私たちのフジテレビ バラエティ宣言」を発表しています。さらに今月27日には、バラエティの歴史や功罪を検証する『悪いのはみんな萩本欽一である』というドキュメンタリー番組が放送されるとのこと。この番組の演出を手がけたのは、『誰も知らない』や『空気人形』などの映画作品でも知られる、テレビディレクターの是枝裕和監督。今からとても楽しみです!
ところで、フジテレビがとった姿勢とは別の方向性として、このBPOの意見書には、テレビの現状を打開する方策のひとつとして、制作者と視聴者が語り合うシンポジウムの開催が提案されていました。先に紹介したテレビ朝日のプロジェクトは、どちらかといえば、こうした方向性を模索してきたといえるでしょう。アプローチの仕方は各局それぞれ違いますが、これから先、テレビ局がどのように視聴者と向き合っていくかということが、局にとっては深刻な課題である一方、視聴者にとってはむしろ、テレビの新しい愉しみ方のひとつと言えるのではないかと思います。
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