大型連休が終わってしまいました。五月病の始まりです・・・。
休みの前半は東京に行ったりしていて慌ただしかったですが、後半は実家(広島県福山市)に戻っていて、いつになく家族と過ごす時間が長かったです。僕が独りで住んでいるマンションも市内にあるので、実家に戻るのは珍しいことではないのですが。
最終日の今日は家族で、近所のショッピングセンターに買い物に行きました。畑をいじっている91歳の祖母が「トマトの苗を買いたい」と言っていたので一緒に出かけることになり、僕が横に付き添って歩いていたのですが、あまりに混み合っていた上、連れ歩くのに慣れていないせいで、祖母の押し車に何度も足を轢かれました(苦笑)。
ところで、このショッピングセンターには映画館もあって、8枚のスクリーンが備わっています。現在は『アリス・イン・ワンダーランド』や『タイタンの戦い』といった大作、『ゼブラーマン・ゼブラシティの逆襲』や『矢島美容室 THE MOVIE 夢をつかまネバダ』といった話題の邦画、そして『名探偵コナン 天空の難破船』や『クレヨンしんちゃん 超時空!嵐を呼ぶオラの花嫁 』といったアニメ映画などが上映されていて、とりわけ子ども連れで盛況でした。
施設内に複数のスクリーンがある映画館を「シネマ・コンプレックス(シネコン)」と言いますが、市内にある二つのシネコンはどちらも駅から離れていて、自動車で来るというお客さんが圧倒的多数です。自動車免許を持っていない僕の場合、バスで行けないことはないのですが、今日のように父が運転する車に乗せてもらって出かけない限りは、まず利用することがありません。
それゆえ僕にとって普段は、福山駅から徒歩圏内にある老舗映画館の存在が重要です。ところが、他の多くの地方都市と同様、郊外のショッピングセンターの隆盛によって、福山駅前の百貨店や商店街から客足が遠のいている(ファスト風土化!)のと軌を一にして、駅に近い老舗の映画館はいずれも、シネコンの活況にともなって苦戦を強いられています。
ただし、地方都市で自動車免許を持ってない社会人男性は少数派ですが(苦笑)、親離れした思春期の中高生にとっても(よほど近所に住んでいない限りは)シネコンは利用しづらく、平日の夕方や週末は、駅近くの映画館で制服姿をよく見かけます。車を持たない大学生も事情は同じで、バスに乗ってまでシネコンには行けないという話をよく聞きます。公共交通機関に頼らざるをえない中高年も同様であることは言うまでもありません。
そこで、老舗の映画館は最近、それぞれの客層をしっかりと踏まえて、シネコンとの差別化を意識的に打ち出しています。
福山駅前のピカデリー劇場は先月、上映作品をアニメ映画に特化するという方針を打ち出しました。この映画館には2枚のスクリーンがあり、既に1枚はアニメに特化したラインナップなのですが、これによって来館者が30〜40%増えたという確かな実績があることから、もう1枚も将来的にアニメ映画だけを上映することになるようです。現在上映されているアニメ映画は、『劇場版"文学少女"』と『魔法少女リリカルなのは The MOVIE』。名探偵コナンやクレヨンしんちゃんに比べると、言うまでもなく、コアなアニメファンを対象とした作品です。これには福山駅前という立地を活かして、コアなファンを遠方から呼び込みたいという思惑が明確にあります。もっとも僕は、福山市の地理的状況を踏まえると、遠方からの来館者を継続的に期待することには限界があると思っていて、むしろ地元の中高生や大学生からファンを発掘し、映画館のリピーターに手堅く育てる(?)ことができるかどうかが、成否の鍵を握っているのではないかと考えています。
それに対して、福山駅から10分ほど歩いた本通り商店街には、シネフクという老舗の映画館があります。経営主体はピカデリー劇場と同じですが、こちらの映画館には4枚のスクリーンがあり、ハリウッドの超大作から国内のミニシアター系映画まで、幅広い作品が上映されています。商店街という立地の影響もあって、中高年のお客さんが比較的多いようで、ピカデリー劇場とは違った地域密着の試みを仕掛けていきたいというのが現状です。その一環として――ここで強引に宣伝なのですが(笑)――シネフクでは来月から以下のような催しを試験的に始めることになり、まずは僕が登壇することになりました。
シネマ クリティーク Vol.1
上映作品『フローズン・リバー』
映画の目ききがテーマ作品の上映後に批評・解説をします。
今回は福山大学で教鞭をとられている社会学者の飯田豊さんをお迎えして、劇場イチオシ作品『フローズン・リバー』について語っていただきます。
飯田さんは映画やテレビをはじめとする、メディアに関する社会学的研究に取り組んでいます。
トークの後には、お客様を交えてのカフェ(談話会)を実施しますので、ぜひ、お気軽にご参加ください。
●映画『フローズン・リバー』について
人種も境遇も異なる二人のシングルマザーが、家族のために違法な仕事に手を染める姿をサスペンスタッチで描く感動作。
サンダンス映画祭でグランプリに輝き、アカデミー賞でも主演女優賞、脚本賞にノミネートされるなど、数々の映画祭で評判となった。
●日程
6/12(土)『フローズン・リバー』午後の回で。
※正確な開始時間は6/2(水)より告知します。
●登壇者
飯田豊(社会学者)、岩本一貴(劇場支配人)
●内容
(1)『フローズン・リバー』上映
(2)登壇者2名によるトーク※約30分
(3)サロンスペースにおいてクリティーク カフェ
※登壇者2名+参加希望のお客様で30〜60分の談話会
●劇場
シネフク大黒座
福山市笠岡町3-9(無料Pあり)
●入場料金
一般 1800円
フューレックカード会員 1300円
学生・60歳以上 1000円
※上記料金で映画+トークがお楽しみいただけます。
※カフェ(談話会)でのドリンク代金は別途有料です。
※ドリンクを注文しなくてもカフェへの参加は可能です。
●飯田 豊(いいだ・ゆたか)プロフィール
1979年広島県福山市生まれ。
東京大学大学院学際情報学府博士課程を経て、
福山大学人間文化学部メディア情報文化学科専任講師。
専門はメディア論、メディア史。
●上映日程
『フローズン・リバー』は6/12(土)〜6/25(金)に
シネフク大黒座にて上映いたします。
※トークイベントは6/12(土)のみの実施です。
劇場管理人のブログ「シネマ ア ラ モード」より。
同じような試みは全国各地の映画館で起こっているのではないかと思います。みなさんがお住まいの地域はいかがでしょうか?
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