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飯田先生が語る「思春期のメディア、その魅惑と可能性」 飯田豊プロフィール

8月31日(金)、広島における戦後復興の象徴のひとつだった旧広島市民球場の一般利用が最終日を迎え、その閉鎖を惜しむ声が県内で大きく報道されました(取り壊しに対する反対運動も続いています)。バックネット裏の小さなラジオブースの中で、長年カープ中継に携わったアナウンサーが感傷に浸ったり、安仁屋宗八さん、達川光男さんといったカープOBの回顧談が放送されたりしました。

もっとも、僕が生まれ育った(そして現在も住んでいる)広島県福山市は、広島市からは100km近く離れていて、市民球場は(新旧いずれも)生活に身近な存在ではなく、実は僕自身、市民球場で野球観戦をしたことは一度もありません。他県の球場でカープ戦を観たことはあるのですが......。

それにも関わらず、広島県内で生まれ育つと、さほど野球に興味がなくても、いつのまにかカープに愛着を持っているもので、僕も例外ではありませんでした。それは言うまでもなく、県境によって区分けされた日本のマスメディアの特性に拠っており、広島県内では、カープを激烈に応援するローカルメディアの報道が、当たり前のように生活に密着しているからです。ちなみに、岡山県最西部に生まれた父は、生粋のジャイアンツファンです。隣県のメディアの影響を一切受けることなく、日本テレビ系列で全国中継されていたジャイアンツ戦に若い頃から熱中し、今に至っているといえます。それに対して、広島県最東部に生まれた母はカープファンです。両親はしばしば、市民球場に対ジャイアンツ戦を観に行っていました。毎回どちらかが悔しい思いをして帰ることになるのですが......。

したがって、福山に住んでいる(両親はともかく)僕にとっては、新聞やテレビを通じてしか、カープ=地元球団という意識を抱くきっかけがなく、旧広島市民球場という場所をめぐる報道は、どこか遠くの出来事に過ぎなくて、あまり共感を抱くことができませんでした。

現代のスポーツは、どこか特定の場所でおこなわれている出来事であるにも関わらず、メディアに媒介されることを通じて初めて、スポーツとして成立します(新聞やテレビを通じて、たくさんのカープファンが育まれ、その結果として広島市民球場に多くのファンが足を運び続けたわけですから)。野球に限らず、スポーツとメディアの関わりについては、かねてから学術的には多くのことが語られていますが、今年は南アフリカ・ワールドカップの熱狂や大相撲の騒動も記憶に新しく、いろいろ考えさせられる機会が多かったような気がします。

そういうわけで(?)現在、以下のような研究会を東京で企画しています。ご関心をお持ちの方はぜひ、足をお運び下さい。

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第21回 メル・プラッツ公開研究会のお知らせ

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□テーマ :「スポーツとメディアリテラシー

         〜スポーツという経験の共有をめぐって」

□日時  :2010年9月11日(土)14時〜18時

□会場  :東京大学本郷キャンパス工学部新二号館9階93b

     http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam01_04_18_j.html

     地下鉄丸の内線・大江戸線[本郷三丁目駅]から徒歩8分

     地下鉄南北線[東大前駅]から徒歩8分

□登壇者 :

      [報告者]

            岡田朋之(関西大学)

            忠鉢信一(朝日新聞社編集委員)

            生駒義博(関西大学大学院)

      [司会]

            村田麻里子(関西大学)

□参加費 :500円

□事前登録:不要


2010年のメル・プラッツ年間テーマ、「コミュニティからメディアを問う」の公開研究会第3弾は「スポーツとメディアリテラシー」をテーマに開催します。


今年2010年は、2月の冬季五輪バンクーバー大会、6月〜7月のサッカーW杯南アフリカ大会と、大きなスポーツイベントが相次いで開催され、マスメディアを通じて伝えられる日本代表選手の活躍ぶりが話題となりました。

とはいえ、W杯の際は開会前の時点でそれほど話題に上っていたとは言えない状況だったのも確かです。それが、日本代表チームがベスト16に進出する過程で一気に火が付き、テレビ中継も高視聴率を記録するなど、一時は巷がW杯一色に塗りつぶされるほどの話題沸騰ぶりでした。このギャップに引っかかりを感じた人は少なくないでしょう。


近代スポーツとマスメディアはその草創期から分かちがたい関係のもとに発展してきました。しかし、さまざまなスポーツのメディアイベント化が進んだことで、話題性を追うあまりタレントを動員したスポーツそのものとは無関係なコンテンツづくりが批判されることも少なくありません。その一方でネットの普及と発展のなか、ブログやSNSなどを通じてマスメディアを通さずに読者に直接語りかける情報発信がスポーツジャーナリストからなされたり、選手や関係者から直接コメントが発せられたりする機会も増えてきました。また、メジャーでないスポーツについてのコアなファンによる情報共有も広がりつつあります。

マスメディアを取り巻く状況が大きな変化の波にさらされている今日、スポーツをめぐるメディアとオーディエンス、さらには競技に関わる人々をめぐる状況もまた、その影響を免れません。今回の研究会ではメディアを通じたスポーツ経験を見直すことから、メディアリテラシーの問題をこれまでとは少し違った角度からとらえなおしていきたいと思います。


進行としては前半で、先頃話題となったサッカーW杯をめぐるメディアと人々の関わりを中心にシンポジウムをおこないます。まずメルプラッツ運営メンバーに今年から加わった岡田朋之さんが、今回の問題意識について上記の観点から提起をおこなった上で、W杯大会期間中南アフリカに滞在し、記事を配信してこられた朝日新聞社の忠鉢信一さんから、何をどういう視点で伝えようとしたかを中心にお話しをいただく予定です。つづいて、Jリーグクラブと地域リーグのクラブのサポーターブログを自ら運営しつつ、他のネットワーカーと交流を重ねたり、ブログ接触の分析などの研究をおこなってきた関西大学大学院博士課程の生駒義博さんに、ネット上から起こりつつある変化について語っていただこうと思います。

後半にはそこで提起された問題意識を踏まえて、参加者とともにディスカッションをおこないます。その中では参加者個々人のスポーツとの関わりを振り返ったり、大相撲のスキャンダルなどのスポーツをめぐる時事問題について考えたりすることも交えて、マスコミュニケーションのみにとどまらないスポーツ経験の共有の可能性について考える機会になれば幸いです。


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メル・プラッツは、以下の運営メンバーによって運営されます。

飯田豊/伊藤昌亮/宇治橋祐之/岡田朋之/小川明子/加島卓/北村順生/金ヨニ/見城武秀/駒谷真美/境真理子/坂田邦子/砂川浩慶/高宮由美子/崔銀姫/土屋祐子/鳥海希世子/中川一史/林田真心子/古川柳子/ペク・ソンス/松井貴子/水越伸/水島久光/宮田雅子/村田麻里子/本橋春紀/山内千代子/劉雪雁(29名、アイウエオ順) 

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